父はネフローゼ腎炎を機に足もみに取り組みました。
当初は余りの痛さに耐えれないと顔をしかめ唸り声をあげました。
プニョプニョに水が溜まった足は冷たく、面白いほどに水が移動する感触があります。人間の脚というよりはゲル状の物体を揉んでいるよう。基本ゾーン(腎臓→輸尿官→膀胱→尿道)の他に頭部・心臓・胸椎の反射区を丁寧に揉んでいきました。
腎臓の生検を受け、一週間程足を揉めずにいました。
足を揉めるようになった頃、一日の尿量1ℓ。ステロイド投与。
人口透析をすると告げられ、首から心臓近くまで管を通す処置。
尿蛋白は減ってきているものの、尿量が極端に減ってクレアチニン値3㎎/㎗を超えていたためと。肺に水が溜まって話すときも息切れ。人口透析、ステロイド投与で足もみが出来ず、父も管を刺している状態での足もみを嫌がる。姉達からの説得もあり父は、自分で出来る事はやろうとなってウオークマットに乗ったり背中の腎臓部分を温めたりしていました。父の取り組み方を尊重し、私も出来るだけ毎日通い踝から上を流すように押していきました。
病室のカレンダーには、「足もみ」を1日のスケジュールに書いていました。そろ頃父の両腕から、無色透明の水がにじんで出てくる(蓮の葉の上にのっている水滴のように)という不思議な現象ががありました。行き場のない水分が出口を探して出てきたのだと思います。二週間程して、「尿が面白いように出る」と父が言い出しました。クレアチニン値2㎎/㎗を下回り尿量はおよそ」1,400mℓ/日、尿蛋白およそ5,000mℓ/日。8回目を最後に人口透析をしなくなりました。その後は順調に回復し体重(病気発症前に15㎏増加)も17㎏減りました。ステロイド錠剤も減量。
今回の父の入院で腎臓の病気は、このように回復していくのだというとても大切な勉強をしました。官足法で教えられている基本ゾーンを十分に揉む・冷やさない・日頃から力強く、くまなく、まんべんなく奥深く揉むことの大切さを実感致しました。